コモチシダ(子持ち羊歯)

ビーグル号の航海日誌 2012年10月02日 22:04

120922コモチシダ@エコカフェ(小石川植物園).JPG小石川植物園の片隅にシダ植物のコレクションがあります。地面より一段低くし湿気が溜まり易いように工夫がしてあります。ここではコモチシダを紹介します。[2012年9月22日撮影:小石川植物園@山崎]

コモチシダ(子持ち羊歯、学名:Woodwardia orientalis Sw.)はウラボシ目シシガシラ科コモチシダ属の大型の常緑性シダ植物。分布は本州東北地方南部以南、四国、九州、南西諸島、小笠原諸島、国外ではヒマラヤから中国、台湾、フィリピンに及び、湿った崖地や崩壊地などに自生。草丈は50cmから200cmほど根茎は短く塊状、葉柄基部の凛片は淡褐色で披針形、葉は黄緑色で厚い革質、葉身は1回羽状複葉で羽片は深裂(2回羽状深裂とも)し、各裂片は披針形で先が尖り細鋸歯がつきます。ソーラス(胞子嚢群)は長さ2oから5oほどの細長い形で、硬い苞膜に包まれ、裂片裏の主脈沿いやや開いてつくという。裂片表の葉脈は網状で脈状にソーラスの間や端に相当する部位に多数のムカゴ(無性芽)を形成し、やがて小さな葉が生じ、落下して散布されます。こうして子孫を確実に残す戦略をとっているのです。

無性芽で増殖するシダ植物には、裂片表に無性芽をつけるタイプで近縁種のハチジョウカグマのほか、中軸の先が伸びて先端に無性芽をつけるタイプのクモノスシダやツルデンダ、オリヅルシダなどが知られています。植物にとって無性芽で増殖する戦略は植生地に余裕がある限りにおいては確実に子孫を増やすことができるのです。


関連記事(ゼンマイ(薇)は山菜の代表)⇒
人気ブログランキングへにほんブログ村 環境ブログへ


続きを読む
posted by エコ・カフェ事務局 | Comment(0) | TrackBack(0)

▲このページのトップへ

キツリフネ(黄釣船)は触らないで、

120929キツリフネ@エコカフェ.JPG赤城自然園「四季の森」へ続く遊歩道脇にはツリフネソウとキツリフネの混生した群落があります。この季節には花はやや終わりかけで果実ができつつあります。この果実はホウセンカの果実と同じで熟すと昆虫が留まったり、風で葉や茎に触れたりすると、果実の外皮が弾け破れ中の種子が勢いよく周囲にばらまかれます。[2012年9月29日撮影:子供自然体験プログラム2012@阿部]

キツリフネ(黄釣船、学名:Impatiens noli-tangere L.)はフウロソウ目ツリフネソウ科ツリフネソウ属の多年草。分布は北海道、本州、四国、九州、国外ではユーラシア大陸、北米大陸に広く、低山から山地のやや湿った薄暗い場所などに自生。草丈は40cmから80cmほどで楕円形、葉縁には鋸歯がつきます。
花期は8月から10月頃で葉腋から細長い花序を伸ばし、筒状の黄色い花を横向きに咲かせます。花弁状の萼片と唇形の花弁、距が長い筒状になっているのが特徴です。ツリフネソウでは距は渦巻き状に巻きます。果実は痩果で熟すと弾けて中の種子が飛び散ります。

花言葉を調べると「じれったい」や「私に触らないで」とのようで、果実の弾ける様子から来ているのでしょう。学名の「noli-tangere 」も「触らないで」だし、何とも簡単でわかりやすいです。


関連記事(ツリフネソウ(釣舟草))⇒
人気ブログランキングへにほんブログ村 環境ブログへ




タグ:広域種
posted by エコ・カフェ事務局 | Comment(0) | TrackBack(0)

▲このページのトップへ

ベニテングダケ(紅天狗茸)の不思議

ベニテングダケ@エコカフェ.JPG瑞牆山(標高2230m)山頂を目指す黒雲母花崗岩の岩場を標高を稼いでいくと針葉樹林の生い茂る登山道脇の林下でベニテングダケを所どころで見かけました。このキノコは色彩が目立ち毒を持っているという。毒は防御機能、目立つことは誘引機能と考えられ、何故に矛盾する機能を同時に有しているのかまったくもって不思議です。[2012年9月27日撮影:瑞牆山@山崎]

ベニテングダケ(紅天狗茸、学名:Amanita muscaria (L. : Fr.) Hook.)はハラタケ目テングダケ科テングダケ属の有毒キノコ。菌根菌。分布は北海道、本州中部地方以北、紀伊山地、四国山地に隔離し、国外ではシベリア、ベーリング地域を起源にユーラシア大陸、北米大陸などに広く、国内ではカラマツトウヒシラカンバなどの針葉樹林下などに自生。柄は白く高さは5pから20pほど、傘は深紅色に白色のイボが散在し傘径は5pから20pに及びます。根元は太く肥大します。

ベニテングダケは絵本やアニメなどによく登場し親しみがありますが、毒成分(イボテン酸、ムスカリン、ムッシモールなど)を含むことから取り扱いには注意が必要です。しかしながら、イボテン酸はグルタミン酸以上の旨味成分であり、日本の一部地域では特別な処理で毒成分を弱めて食する習慣もあるという。尤もシベリア東北部からカムチャッカにかけての民族の間ではシャーマンによる宗教儀式などに利用されてきたとの報告もあります。


関連記事(森林のキノコたち)⇒
人気ブログランキングへにほんブログ村 環境ブログへ




タグ:広域種
posted by エコ・カフェ事務局 | Comment(0) | TrackBack(0)

▲このページのトップへ