ウラジロモミ(裏白樅)は寒冷を好む

ビーグル号の航海日誌 2012年09月17日 23:25

120708ウラジロモミ@エコカフェ(奥鬼怒).JPG台風16号の影響で通過後も太平洋上から湿った大気が入り込んでいるため関東周辺でも時折強い雨が降っています。この夏の活動は雨に祟られたのを思い出します。鬼怒沼湿原視察もそうでした。
鬼怒沼湿原のある奥鬼怒地域の帝釈山地一帯(標高2000m級)は栃木県内で最も降雪の多い所とされます。多くの高山植物が見られます。一帯の森はシラビソオオシラビソの鬱蒼とした原生林と林下にはチシマザサのブッシュが広がっているのが特徴です。標高の少し低い所ではコメツガ、ウラジロモミとその林下にアズマシャクナゲが見られます。[2012年7月8日撮影:鬼怒沼湿原調査@山崎]

120708ウラジロモミ樹皮@エコカフェ(奥鬼怒).JPGウラジロモミ(裏白樅、学名:Abies homolepis Sieb. & Zucc.)はマツ科モミ属の常緑針葉樹で高木。日本固有種で軽度懸念(LC)。分布は本州福島県から和歌山県と四国に及び、温帯上部から亜高山帯に自生。温帯上部では落葉広葉樹林と混生、亜高山帯で葉針葉樹林を形成。一般にモミより高い場所に多く出現樹高は約40m、樹幹は直立、樹皮は灰褐色で鱗片状に剥離、枝を水平に張り、円錐形の樹冠を形成。葉は枝にらせん状に密生し、無柄、葉身15oから25mmほどの線形で葉先が浅く2裂します。葉裏には軸の両側に1本ずつ白色の気孔帯が目立ちます。果実はモミより小さく、長径約6pから13cmの円柱形の球果で熟すと黄褐色になり鱗片はばらけて風散布します。

モミとの違いは葉裏が白いかどうかで判別できます。他にもウラジロモミについて、冬芽は脂(ヤニ)に包まれること、若枝は無毛なことなどの特徴があげられるようです。


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高山植物の魅力(77)、オオバユキザサ(大葉雪笹)

120804オオバユキザサ果実@エコカフェ.JPG周回遅れ記事。佐渡島2日目、大佐渡石名天然杉遊歩道の素晴らしさは関連する記事でお分かりのことと思う。天然杉の森の林床はとりわけ緑の下草の絨毯が広がっています。オオバユキザサを紹介します。ヤマトユキザサとも呼ばれ、花が終わり青々とした若い果実を幾つもつけていました。[2012年8月4日撮影:佐渡島エコツアー@叶拓斗]

オオバユキザサ(大葉雪笹、学名:Smilacina hondoensis Ohwi)はユリ科ユキザサ属の多年草で雌雄異株。100804オオバユキザサ@エコカフェ(大佐渡石名).JPG分布は本州東北地方南部から近畿地方、九州対馬、海外では朝鮮半島済州島に及び、低山から亜高山帯の林床に自生。草丈は70cmから100pほどで、茎は斜上し、葉は互生、葉身は10pから15pほどの楕円形で全縁、葉先が尖ります。葉には短毛が生え葉脈が目立ちます。
花期は5月から6月頃で、茎先端に総状花序を伸ばし、白色の小さな花をたくさん咲かせます。花は白色から淡黄緑色まで変異があります。花序の軸の色が暗紫色を帯び毛が密生するのが特徴です。果実は液果で熟すと赤色になります。

オオバユキザサの仲間には先にこのブログで取り上げた小型のユキザサ、大きさは同じくらいだが花序が緑色で無毛で日本固有種のミドリユキザサ(ヒロハユキザサとも)が知られています。森の中でも区分けは比較的容易でしょう。


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タグ:広域種
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海浜植物、スナビキソウ(砂引草)

120804スナビキソウ花@エコカフェ.JPG周回遅れ記事。佐渡島2日目、大佐渡石名天然杉遊歩道を散策した後、北西海岸沿いの県道45号を戸地から尖閣湾に下る途中の岩場海岸で海浜植物を観察しました。ハマボッスハマナスハマゴウ、ハマニガナ、ネコノシタ、ナミキソウ、ハマエンドウ、キリンソウ、オニシバ、スナビキソウなどが見られます。[2012年8月4日撮影:佐渡島エコツアー@叶拓斗]

スナビキソウ(砂引草、学名:Messerschmidia sibirica L.)はシソ目ムラサキ科スナビキソウ属の多年草。120804スナビキソウ@エコカフェ.JPG分布は北海道、本州、四国、九州、国外では朝鮮半島、シベリア、ヨーロッパに広く、海岸の砂浜や磯などに自生。草丈は25pから30pほどで、長い地下茎で繁殖、葉は互生し無柄、葉身は2.5cmから6pほどの披針形からへら形、全縁で葉先は鈍頭。葉両面や茎に軟毛が密生します。花期は5月から8月頃で茎頂に短い集散花序をだし白色の小さな花を幾つも咲かせます。花は径約8o、花弁は筒状で5深裂、萼片は5中裂、雄蕊5本、雌蕊花柱は短い。果実は長径約1pの壺形の核果で4稜(4分果)、コルク質のため海流散布に向いています。

種子が海流散布するもので小笠原諸島に分布する広域種のオオハマボウは、島嶼という小笠原の環境下での進化(分化)過程で種子が浮揚能力を失い小笠原固有種のテリハハマボウに変身していったのです。無駄を省くのが植物の基本戦略のひとつなのです。


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