イオウノボタン(硫黄野牡丹)は夢

ビーグル号の航海日誌 2012年08月26日 20:46

120624イオウノボタン@エコカフェ.JPGこの夏、麻布十番祭りで小笠原特産品も出展し、松崎さんも大活躍のようです。小笠原を思い出しながら、許可なく上陸はできない北硫黄島のみに自生しているイオウノボタンを紹介します。小石川植物園で保護増殖しているものを撮影したものです。[2012年6月24日撮影:小石川植物園@山崎]

イオウノボタン(硫黄野牡丹、学名:Melastoma candidum D. Don var. alessandrensis S. Kobayashi)はフトモモ目ノボタン科ノボタン属の常緑低木。ノボタンの変種で北硫黄島固有種。絶滅危惧U類(VU)。120624イオウノボタン花@エコカフェ.JPG120624イオウノボタン葉@エコカフェ.JPG分布は北硫黄島、火山島の中腹(標高400m)以上の雲霧帯にあたる斜面地に群生。樹高は1mから2mほどで、葉は互生し、葉身は3pから5pほどの楕円形、全縁で先が尖ります。葉は厚く、葉表に白い毛が密生し、葉基部から葉先に向かって葉脈が5本が走ります。花期は6月から8月頃で、枝先の葉腋に桃紫色の5弁花を咲かせます。

小笠原諸島では北硫黄島のイオウノボタンのほかに、父島のムニンノボタン、母島のハハジマノボタン、南硫黄島のノボタンが知られています。ノボタンも環境適応しながら分化・進化しつつあるようです。


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高山植物の魅力(70)、ミヤマワラビ(深山蕨)

080711ミヤマワラビ@エコカフェ(立山雷鳥エコツアー).jpg立山新室堂乗越(標高2511m)の直下には直立したハイマツ林やベニバナイチゴなどちょっとしたこんもりした小さな森が発達しています。そんな林床にはミヤマワラビなどがよく見られます。[2008年7月12日撮影:立山雷鳥エコツアー@阿部]

ミヤマワラビ(深山蕨、学名:Thelypteris phegopteris (L.)Slosson ex Rydb)はヒメシダ科ヒメシダ属の夏緑性シダ植物。分布は北海道、本州、四国、九州に及び、山地帯から高山帯の明るい林内や林縁に自生。本州中部地方以北に多い。根茎は地上や岩上をよく這う。葉の長さは約20pで2回羽状複葉、葉裏は白い毛が密生。中軸、羽軸、小羽軸には毛と鱗片がつきます。葉軸上部には翼が発達します。ミヤマワラビには有性生殖型と無性生殖型の2タイプがあり、中部日本の針葉樹林体内に全者が残存しているという。胞子嚢群(ソーラス)は小羽片の裏側の縁寄りにつき、円形で包膜をもたないという。胞子嚢にも毛が生えるといいます。なんとも毛深いのです。

ミヤマワラビは私たちが山菜として食するワラビ(蕨)の仲間なのでしょうか。答えは全く別ものです。ワラビはコバノイシカグマ科ワラビ属に分類される夏緑性シダ植物なのですよ。


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高山植物の魅力(69)、ヒメクワガタ(姫鍬形)

080711ヒメクワガタ@立山雷鳥エコツアー 118.jpg残暑厳しいです。夏山シーズンも終わりかけ、会員の皆さんも大いに満喫しているようです。ずい分前に立山連峰に登った時に撮影した高山植物で名前が分かったものがあるので紹介します。可憐な花を咲かせるヒメクワガタです。[2008年7月12日撮影:立山雷鳥エコツアー@阿部]

ヒメクワガタ(姫鍬形、学名:Veronica nipponica Makino ex Furumi)はゴマノハグサ科クワガタソウ属の多年草。日本固有種。分布は本州(鳥海山、月山、飯豊山地、北アルプス中北部、白山)で高山帯の草地や雪田近くの礫場などに自生。草丈は10pほどで茎は根元で分枝、葉は対生し無柄、葉身1pから2pほどの卵状楕円形で葉縁に浅鋸歯がつきます。茎や葉両面に疎らに毛が生えます。
花期は7月から8月頃で、茎頂や茎上部葉腋に総状花序をだし、数個の淡青紫色の小さな花を咲かせます。花は径約5o、花冠4深裂し、雄蕊2本は短い。果実は楕円形の刮ハで先端が凹みます。


名前の由来は果実につく萼片が兜のまびさしの上に2本立っている角のような鍬形に似ていることから「鍬形」、全体に小型なことから「姫」がついかという。なんとも以前紹介した私たちが畦道や街中などでよく見かける帰化植物オオイヌノフグリと同じ仲間だそうです。ふーんですね。


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タグ:日本固有種
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スダジイは照葉樹林の代表樹

スダジイ巨木B@エコカフェ.JPG三宅島は度重なる雄山噴火で島の至る所で森が何度も更新を余儀なくされています。もちろん火山噴火や火山性ガスの噴気による被災をうまく免れた森も残っています。エコカフェの三宅島をフィールドとした「エコカフェみんなの森づくり」は溶岩原から植生回復する自然の力に少しだけ継続的にお手伝いしようというものです。逞しい植生遷移の様子を年月を追って体感していこうというものです。難を逃れた森では照葉樹林の代表樹のひとつ、スダジイの巨木が尾根筋を中心に残っていて観察することができます。[2011年11月26日撮影:第3回エコカフェみんなの森づくり@山崎]

スダジイ巨木@@エコカフェ.JPGスダジイ巨木D@エコカフェ.JPGスダジイ(学名:Castanopsis sieboldii (Makino) Hatus. ex T.Yamaz. et Mashiba)はブナ科シイ属の常緑高木。分布は本州(福島県以南、新潟県以西)、四国、九州、南西諸島と朝鮮半島済州島に及び、海岸沿いの山地などに多く自生。北限は佐渡島、南限が波照間島という。樹高は約25m、樹皮は黒褐色で縦割れに深い筋が入り、よく分枝します。葉は互生し厚くクチクラ層が発達、葉身は5pから10pほどの広楕円形、葉縁上半分に鋸歯がついたりし、葉先は尖ります。葉裏は白色から赤銅色。樹冠はこんもりとドーム型になります
花期は5月から6月頃で、雌雄異花、本年枝下部の葉腋から雄花序をだし、淡黄色の小さな雄花を密に咲かせ、先端部の葉腋から上向きに長さ約8pの雌花序をだし雌花をたくさん咲かせます。雄花序は芳香が強く虫を誘引することから、風媒花から虫媒花に進化したと考えられています。果実は翌年の秋に長径1pから1.5pほどの円錐状卵形の堅果が熟します。灰汁がなく生で食べられます。

奄美諸島以南に分布するスダジイを亜種オキナワスダジイと区別する考えがある。これはオキナワスダジイの堅果の殻斗の先端が完全に合着する点が異なるためだそうです。


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