海浜植物、グンバイヒルガオ(軍配昼顔)

ビーグル号の航海日誌 2012年08月14日 21:20

120721グンバイヒルガオ@エコカフェ(沖縄).JPG沖縄諸島やや宮古列島、八重山列島など亜熱帯気候下にある島嶼の海岸ではグンバイヒルガオがよく見られます。花は季節にかかわらず一年を通じてみることができるようです。沖縄ではハマカンダーと呼びます。辺野古岬の対岸の大浦の砂浜はやたら静かで、あちらこちらで花が咲いていましたよ。[2012年7月21日撮影:沖縄視察@阿部・山本・田辺]

グンバイヒルガオ(軍配昼顔、学名:Ipomoea pes-caprae (L.) R.Br.)はナス目ヒルガオ科サツマイモ属の多年草。分布は世界の熱帯から亜熱帯に広く、日本では九州宮崎県以南、南西諸島に及び、海岸の砂浜に自生。120721辺野古近くて遠いな@エコカフェ(沖縄).JPG草丈は匍匐するため足首ほどで、葉は互生し、葉身は3pから8pほど広楕円形(軍配形)で先が凹む。花期は夏期を中心に通年、葉腋から長い花柄を伸ばし、径5、6pほどの淡紫色の漏斗状の花を咲かせます。果実は径約2pの扁球形の刮ハで熟すと下側が開裂し、中の種子を散布します。

種子が海流散布するため、日本列島を北上しては漂着地で芽吹くのだが冬季を超えることはできず定着することはなかった。ところが、近年、地球温暖化の影響であろうか、大分や高知の海岸でも定着しつつあるようです。また、小笠原諸島では繁殖力の旺盛な外来種として小笠原固有種への圧迫に注意を払う必要がありそうです


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カラマツ(唐松)は落葉針葉樹

カラマツとイタドリ@エコカフェ.JPG亜高山帯針葉樹林を構成するもう一つはカラマツです。カラマツは勝井沢など信州地方に行くとよく目にすることができます。富士山ではハイマツを欠くために森林限界の最前線にカラマツ、ダケカンバミヤマハンノキが陣取っています。[2010年7月10日撮影:第7回自然観察会@寺中]

カラマツ(唐松、学名:Larix kaempferi (Lamb.) Carrière)はマツ科カラマツ属の落葉針葉樹で高木。カラマツ@エコカフェ(富士山).JPG分布は本州東北地方南部から中部地方の亜高山帯から高山帯に分布。樹高は20m から40mほどで、樹幹は直立し、樹皮は灰褐色で縦裂し長鱗片状に剥離、枝葉水平に張り出すが老木では下垂れします。枝に普通に伸びる長枝と約2oの短枝があります短枝には葉身2pから4pほどの先が鈍頭の針状の葉が2、30本束生し、長枝は疎らにつき葉先が尖ります。花期は4月頃から6月頃に、雌雄異花、短枝に雄花は下向きに、紅色の雌花は上向きに別々につきます。雌花は雄花より遅れて咲くようです。果実は長径約3pほどの球果で秋に熟すと種子を風散布します。

富士山の森林形成で陽樹であるカラマツの役割は陰樹であるシラビソなどの極相林に遷移するまでの移行期を担っていると考えられます。森林限界最前線ではカラマツはハイマツのように樹形を這わせ矮小化させています。葉は秋に黄葉するととても綺麗ですよ。


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高山植物の魅力(68)、ミヤマセンキュウ(深山川芎)

080711ミヤマセンキュウ@エコカフェ(立山雷鳥エコツアー).jpgお盆に里帰りしている都会暮らしの人も多いのではないでしょうか。立山室堂平のみくりが池近くの遊歩道脇で写真におさめたセリ科の植物の花が気になっていたので調べてみました。セリ科の植物の同定は難しいのですが、ミヤマセンキュウらしいです。[2008年7月11日撮影:立山雷鳥エコツアー@阿部]

ミヤマセンキュウ(深山川芎、学名:Conioselinum filicinum (H.Wolff) H.Hara)はセリ科ミヤマセンキュウ属の多年草。分布は北海道、本州中部地方以北と千島列島ウルップ島に及び、亜高山帯から高山帯の林縁や草原などに自生。草丈は40pから70pほどで、茎は中空で直立し分枝、葉は互生し葉柄の基部が鞘状に膨らむ。葉身は約30pの2回3出羽状複葉で小葉は羽状に裂け、終裂片の先が尾状に伸びるという花期は8月〜9月頃で、茎頂に径約6pから10pの複散形花序をだし、径約2oの白色の5弁花をたくさん咲かせます。小花序の苞は糸状で長いという。果実は長径約5oの広卵状の2つの分果で隆条は翼状になるそうです。

セリ科の高山植物はイブキゼリモドキ、シラネニンジン、ハクサンボウフウミヤマゼンコなど多くの種が自生しているため大変ですね。


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タグ:立山 広域種
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高山植物の魅力(67)、ハイマツ(這松)

080711ハイマツ@エコカフェ(立山雷鳥エコツアー).jpg先に亜高山帯針葉樹林を構成するシラビソオオラビソコメツガなどについて紹介しました。ここではその上部、中部地方では標高2500m以上の森林限界を超える高山帯の植生のうち常緑針葉樹のハイマツを紹介します。ハイマツは森林限界ではハイマツ帯といってごく普通に見られますが、氷河期の生き残り(氷河遺存種)とされるため富士山では見られません。[2008年7月11日・12日撮影:立山雷鳥エコツアー@阿部]

ハイマツ(這松、学名:Pinus pumila (Pall.) Regel)はマツ科マツ属の常緑針葉樹で低木。分布はシベリア東部、カムチャッカ半島、中国東北部、朝鮮半島などの寒冷地、日本では北海道と本州中部地方以北の亜高山帯から高山帯に自生。080711ハイマツ2@エコカフェ(立山雷鳥エコツアー).jpg樹高は亜高山帯で灌木状で約2m、高山帯の風衝地では矮小化しひざ下で地面を這う。これが名前の由来で、高山帯では優先種とされます。葉は針状で長さ3pから7pほどで枝に5枚ずつ束生したものが密生します。ゴヨウマツ(五葉松)と同じですね。花期は6月から7月頃で、雌雄異花、本年枝下部に長径約15oの穂状の黄色い雄花序がたくさんつき、本年枝先に長径約6mmの松笠状の暗紫色の雌花序が数個つきます。果実は長径約5pの長卵形の球果で翌年秋に熟します。ホシガラスの好物です。

高木層を欠く高山帯のハイマツ群落の中には亜高山帯針葉樹であるモミ属やトウヒ属の樹種が低木化、矮小化して混生しているのをよく見かけます。ハイマツは亜高山帯の明るいダケカンバ林などでは直立して混生することから、環境に適応して変幻自在する逞しさを象徴しているかのようですね。

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オオシラビソ(大白檜曾)は多雪亜高山帯に

110709オオシラビソ@エコカフェ(鳳凰三山) .jpg日本の亜高山緑針葉樹は本州西日本や中部地方では標高1500mから2500mの範囲に分布します。もっとも北海道の東部や北部の風衝帯では海岸付近から葉付近から標高1500mとぐんと低くなります。先に述べたように植生の主役はトウヒ、コメツガシラビソ、オオシラビソとカラマツがあげられます。これに落葉広葉樹のダケカンバミネヤナギミヤマハンノキなどが混生します。
鳳凰三山の一番南側の薬師岳を過ぎると多雪地帯に多いとされるオオシラビソも出現するようになります。[2011年7月10日撮影:鳳凰三山@澤尚幸]

オオシラビソ(大白檜曾、学名:Abies mariesii Mast.)はマツ科モミ属の常緑針葉樹で高木。日本固有種で軽度懸念。110709オオシラビソ幼芽@エコカフェ(鳳凰三山).jpg別名にアオモリトドマツ(青森椴松)とも。分布は本州中部地方から東北地方までと富士山の亜高山帯に自生。中部地方などの多雪地帯などではシラビソと混生。樹高は最大約40mで、樹皮は灰色で平滑、皮目が横長で縞模様ができる。葉は2列がらせん状に立ち気みに密生し枝を隠し、葉身は15mmから20mmほどのやや扁平な線形で先端は丸い。葉表は深緑色で光沢があり、葉裏には軸の両側に1本ずつ白色の気孔帯が目立ちます。
花期は6月頃で、雌雄異花、梢先に集生し、雄花は黄色で密に垂下がり、雌花は暗赤色で直立して咲きます。果実は長径約6cmから9cmほどの先が丸みを帯びた円柱形の球果で、9月から10月頃に黒紫色に熟します。

写真では枝の先端に小さい球状のものが写っていますが、幼芽であってこれが伸びて新たな葉が密生した小枝になるのです。


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