ムニンヒメツバキ(無人姫椿)は女王様

ビーグル号の航海日誌 2012年07月02日 12:58

070714ムニンヒメツバキ@エコカフェ.JPGこの季節、小笠原の森の中に分け入るとこの花を見ないことはまずないだろう。戦前までは尾根筋や急斜面地、岩場を除き山地の至る所が開墾されサトウキビ栽培など農耕地として利用されてきたが、戦後の放棄によりそのほとんどは明るい二次林に遷移しています。そんな森で女王様の風格です。[2007年7月14日撮影:森も海も不思議いっぱい!小笠原エコツアー 〜海洋島の生態系の神秘を知る〜@松崎哲哉]

ムニンヒメツバキ(無人姫椿、学名:Schima mertensiana (Sieb. et Zucc.) Koidz.)はツバキ科ヒメツバキ属の常緑亜高木。小笠原固有種。東南アジア系。分布は小笠原諸島に広く、低地から山地、耕作放棄地などに成立した二次林内などに自生。070714ムニンヒメツバキ花@エコカフェ.JPG樹高は7mから10mほどで、樹皮は暗褐色、枝先はよく分枝し射上し、葉は互生し、葉身は10cmから18cmの長楕円形、全縁で先が尖ります。葉脈が明瞭で葉裏の主脈上に白い軟毛が生えます。花期は5月から7月頃で、枝先に集まってチャノキの花に似た径約50mmの5弁の白色の花を咲かせます。果実は径約20mmの扁球形の刮ハで11月頃に熟すと裂開し種子を散布します。種子は扁平で翼を持ちます。

ムニンヒメツバキは小笠原村の「村花」で、島民からはロースード(ローズウッドが転訛)と呼ばれ親しまれています。この木は南西諸島に分布するイジュが近縁と考えられているが、イジュの葉には鋸歯があるなどの違いがあるようです。


関連報告書(森も海も不思議いっぱい!小笠原エコツアー 〜海洋島の生態系の神秘を知る〜)⇒

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シマオオタニワタリ(島大谷渡)

110919シマオオタニワタリ@エコカフェ.JPG110918シマオオタニワタリ@エコカフェ.JPG小笠原諸島に広く分布しひときわ目立つ着生シダにシマオオタニワタリがあります。近縁種のヤエヤマオオタニワタリとの見分けは、シマオオタニワタリは中肋の盛り上がりが扁平で、ヤエヤマオオタニワタリは著しく盛り上がり二段に見えることで分かるという。[2011年9月18・19日撮影:祝世界自然遺産登録・エコカフェ小笠原諸島ツアー@阿部]

シマオオタニワタリ(島大谷渡、学名:Asplenium nidus L.)はチャセンシダ科チャセンシダ属の南方系の常緑性の着生シダ。準絶滅危惧。分布は奄美群島以南の南西諸島と小笠原諸島、東南アジアや太平洋諸島などにも広く及び、林内の樹上や岩上などに着生。草丈は40pから150p超ほど、塊状の根茎から大型の単葉を放射状に出す。葉柄は約2pと短く濃紫色で披針形の麟片を多数つけ、葉の中肋も濃紫色で扁平に盛り上がり、葉表は革質でツヤがあり葉脈が目立ちます。胞子嚢群(ソーラス)は中肋から葉縁の半ばまでという

それにしても母島のマルハチ(丸八)が群生する森の林床の岩上に着生するシマオオタニワタリの巨大なこと。一緒に写っている芳賀さんと比べてみたら頷けますよね。


関連記事(ヤエヤマオオタニワタリ(八重山大谷渡))⇒
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リュウビンタイモドキ(龍鱗擬き)

リュウビンタイモドキ塊根@エコカフェ.JPG小笠原に固有のリュウビンタイ科の仲間にもうひとつ、リュウビンタイモドキがあります。こちらは母島でしか見られませんが、先に紹介したオガサワラリュウビンタイと混生しています。写真は堺ヶ岳から下山する途中の谷筋で撮影したものです。[2011年9月19日撮影:祝世界自然遺産登録・エコカフェ小笠原諸島ツアー@山崎]

リュウビンタイモドキ(龍鱗擬き、学名:Marattia boninensis Nakai)はリュウビンタイ科リュウビンタイモドキ属の常緑性シダ植物。母島固有種で絶滅危惧U類(VU)。分布は母島の湿気の多い林床や谷筋に自生。外観は一見するとオガサワラリュウビンタイに似て、塊状の根茎は径約50pにもなり、葉も根茎から集まって伸び、2回羽状複葉で葉身2m以上になる。しかし、葉柄の基部には鱗片がり、表面に白色の斑紋は生じない。小羽片の裏面には偽脈ががなく、左右の片縁近くに列生する胞子嚢群(ソーラス)はそれぞれ単体胞子嚢群といって隣り合う2この胞子嚢が合着したものです。似て非なるものなのです。

リュウビンタイモドキは硫黄列島に自生するイオウトウリュウビンタイモドキが近縁種とする説と同種であるとする説があるようです。これまた研究成果が待たれるといったところでしょうか。


関連記事(小笠原諸島の貴重な湿性高木林)⇒
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