オガサワラリュウビンタイ(小笠原龍鱗)

ビーグル号の航海日誌 2012年07月01日 21:38

120102オガサワラリュウビンタイ@エコカフェ.JPG小笠原父島の亜熱帯農業センターではオガサワラリュウビンタイを栽培展示しています。小笠原にはリュウビンタイ科では他に固有種で絶滅危惧U類ののリュウビンタイモドキが母島のみに自生しています。父島に自生するオガサワラリュウビンタイはノヤギの食害にあっているためか林内で見かけることはほとんどないように思う。[2012年1月2日撮影:「お正月の旅小笠原」船内プログラム[2011年度]@山崎]

オガサワラリュウビンタイ(小笠原龍鱗、学名:Angiopteris boninensis Hieron.)はリュウビンタイ科リュウビンタイ属の大型の常緑性シダ植物。小笠原固有種。分布は父島、弟島、母島に及び、湿り気の多い林内や谷筋などに自生。 根茎は塊状で大きく径約50pにもなり、葉は根茎から集まって伸び、2回羽状複葉で葉身2m以上になる。葉柄は径約5pと太く、基部に鱗片はなく、表面に細く白い斑紋が散在するのが特徴です。小羽片の裏面には偽脈が片縁から羽軸まで伸び、左右の片縁近くに胞子嚢群(ソーラス)が列生します。これに対してリュウビンタイモドキは鱗片が比較的残り、斑紋が出ることも偽脈もなく、ソーラスの形も異なるという。

オガサワラリュウビンタイはアジア・アフリカの熱帯・亜熱帯地域に自生するホソバリュウビンタイの近縁種とする見解があるそうです。今後の研究が進むことで新たな事実が明らかになるかもしれませんね。


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コクラン(黒蘭)は迷宮

100508コクランB@旭山.JPG小笠原父島の旭山に至る登山道脇で撮影したコクランの花を紹介します。落ち葉が堆積した場所に緑色の葉っぱが展開していたので気づきました。花軸と花は紫褐色のため目立たず、初めは花が咲いているとは思いませんでした。周囲を見渡して探せたのはたった2株でした。後に図鑑を調べてコクランとしました。[2010年5月8日撮影:小笠原エコツアー「ケータ島沖(聟島列島)と小笠原固有植物の森をめぐる旅」@山崎]

コクラン(黒蘭、学名: Liparis nervosa (Thunberg) Lindley)はラン科クモキリソウ属の単子葉植物で多年草。分布は本州茨城県以南、四国、九州から台湾、中国に及び、低山の常緑林内の薄暗い場所などに自生。コクラン1@旭山.JPG小笠原では1994年に発見されたそうですが、かつて人為的撹乱のあった場所でもあり自然分布かどうか謎とされています。草丈は15pから30pほど、葉は互生し基部が鞘状で偽球茎を包み、葉身は広楕円形で先が尖り、葉脈に沿って溝状に窪みます。
花期は6月から7月頃で、花茎が真っ直ぐ立ち上がり、3個から10個ほどの紫褐色の花が総状に咲きます。花は1pで唇弁は中央に浅溝があり反り返って先が凹みます。側花弁は細く反り返り、背萼片は尾状に伸び、側萼片が側弁花と唇弁の間に伸びています。中央のずい柱の先端部には黄色い花粉塊がつきます。虫媒花です。

父島旭山で見たコクランは花茎の色が紫褐色であって、関東などで見られる花茎が緑色のものとは違いがあるようです。薄暗い林下でわずかに命を紡いでいる姿は切ない気持ちになります。


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テイカカズラ(定家葛)は広域種

テイカカズラ花@エコカフェ.JPG小笠原諸島に自生するキョウチクトウ属はヤロードとテイカカズラが知られています。前者は小笠原固有種。後者は当初ムニンテイカカズラとして固有種とされたが後に広域種のテイカカズラと同種とされました。旭山で撮影しましたが、小笠原ではパンヤと呼ばれています。[2010年5月8日撮影:小笠原エコツアー「ケータ島沖(聟島列島)と小笠原固有植物の森をめぐる旅」@山崎]

テイカカズラ(定家葛、学名:Trachelospermum asiaticum (Siebold et Zucc.) Nakai)はキョウチクトウ科テイカカズラ属のつる性常緑低木。分布は本州、四国、九州、小笠原から朝鮮半島に及び温暖な常緑広葉樹林の林床や樹木に登って自生。樹高は時に約10m、茎から付着根(気根)を垂らし這いあがります。葉は革質で光沢があり、葉身は1pから7pほどの楕円形から長楕円形で全縁。若葉は小さく縁に毛が生ずるが直に脱落。地を這う個体の葉には葉脈に沿って斑紋が入ります。
花期は6月頃で葉腋から集散花序をだし白色の芳香の強い花を咲かせます。花はのちに淡黄色に変化します。果実は長さ20p前後のやや湾曲した袋果で2個が対をなし、内部に長さ冠毛のついた約13oの種子がたくさん詰まっています。8月頃に袋果は熟すと2割し、種子は風に乗って散布します。

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シマタイミンタチバナ(島大明橘)

シマタイミンタチバナ@エコカフェ.JPG小笠原に固有の植物は小笠原に到達してから独自に環境適応してきたものと考えられます。シマタイミンタチバナもその一つです。他にはシロトベラなどトベラ属4種、ムラサキシキブ属3種、ハイノキ属3種、ノボタン属3種などが知られています。[2010年5月8日撮影:小笠原エコツアー「ケータ島沖(聟島列島)と小笠原固有植物の森をめぐる旅」@阿部]

シマタイミンタチバナ(島大明橘、学名:Myrsine maximowiczii (Koidz.) E.Walker)はヤブコウジ科ツルマンリョウ属の常緑小高木。雌雄異株。小笠原固有種で絶滅危惧U類(VU)。分布は小笠原諸島聟島列島から母島列島に広く、山の稜線の乾性低木林内を好んで自生。樹高は4mから5mほど、葉は互生し革質で光沢があり、葉身3pから7pほどの倒披針形から線状楕円形で全縁、無毛。葉裏に主脈が目立ち、葉柄は短く紫赤色を帯びます。
花期は1月頃で、前年の葉腋に多数の花柄を腋生し、単生散房状の淡緑白色の小花を束生します。雌花は径約4oで5裂し、子房と花柱が大きい。雄花は雌花より数多く、雄蕊5本がつきます。果実は径約6oの球形の核果で秋に黒紫色に熟します。果実はクマネズミが好んで食べるようです。

シマタイミンタチバナは本州から東南アジアにかけて分布するタイミンタチバナが近縁と考えれれています。シマタイミンタチバナには変異が多く、それらは分化の途上にあると考えてもよさそうで、@父島の乾燥した稜線にみられる葉が細く厚いもの、A母島とその属島に多い葉広で薄く葉先の丸いもの、B父島と兄島、母島の乾燥した岩場に多い小低木で葉が円形に近いもの、の3タイプに分かれるそうです。


関連報告書(小笠原エコツアー「森も海も不思議いっぱい!小笠原エコツアー 〜海洋島の生態系の神秘を知る〜」)⇒
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ムニンツツジ(無人躑躅)

ムニンツツジ@エコカフェ.JPGムニンツツジの野生株は世界中でたった1株です。父島の躑躅山の指定ルート外にあるため見ることはできません。現在は「種の保存法」に基づき保護増殖事業が行われているため小笠原亜熱帯農業センターなどで見ることができます。[2010年5月8日撮影:小笠原エコツアー「ケータ島沖(聟島列島)と小笠原固有植物の森をめぐる旅」@阿部]

ムニンツツジ(無人躑躅、学名:Rhododendron boninense Nakai)はツツジ科ツツジ属の常緑低木。小笠原固有種で絶滅危惧TA類。分布は父島のみで山頂近くの通気性のよい酸性土壌を好んで自生。ムニンツツジ3@エコカフェ.JPG樹高は1mから2mほどでよく分枝し株状になり、若枝、葉、葉柄には褐色の毛が密生します。葉は革質、葉身3pから6pほどの披針形から倒披針形で全縁。とりわけ葉裏の主脈上と葉柄に褐色の毛が多い。
花期は4月から5月頃とされるが通年見られ、枝先に形約5pから6pほどの純白の漏斗状の花を咲かせます。果実は刮ハで12月頃に熟すと開裂し約1mmの長四角の種子が飛散します。

ムニンツツジは奄美大島から座間味諸島にかけて分布する日本固有種のケラマツツジの近縁と考えられ、小笠原、太平洋上の分布する唯一のツツジだそうでうです。保護増殖のため父島の山間部に移植しても躑躅山以外では顕著な成果が得られていないようです。極めてデリケートなようです。


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オガサワラアザミ(小笠原薊)

120624オガサワラアザミ花@エコカフェ.JPGオガサワラアザミ、小笠原の地ではまだ見たことがありません。鉢植えですが小石川植物園の温室で花を咲かせていました。図鑑を見ると野生のものはもっと逞しいような気がします。[2012年6月24日撮影:小石川植物園@山崎]

オガサワラアザミ(小笠原薊、学名:Cirsium boninense Koidz)はキク科アザミ属の多年草。小笠原固有種で絶滅危惧U類(VU)。分布は父島、兄島、南島、母島に及び、海岸林下の岩礫地や草地などに自生。オガサワラアザミ花序@エコカフェ.JPG120624オガサワラアザミ葉@エコカフェ.JPG草丈は1mから1.5mほどで茎は上部で分枝、全体に綿毛がつく。根生葉は厚く光沢があり、葉身20pから47pと巨大で狭倒卵形で羽状浅裂、花時にも枯れず、茎葉は上部のものほど小さく、基部は茎を抱くことはありません。
花期は4月から6月頃で太い花茎の先に1個又は複数の頭状花序をつけ白色のたくさんの小花を咲かせます。頭状花序は径約3.5pで総苞片は6列で圧着し無粘、小花は筒状花です。

オガサワラアザミは南西諸島(トカラ列島以南)に分布する日本固有種のシマアザミが類縁種と考えられるが、これより多毛で全体に白緑色であること、葉の基部が茎を抱かないことが異なるようです。


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